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検査室支援情報
Lab Column
診療報酬改定を機に患者サービスを考える
2026年6月の診療報酬改定は、検体検査実施料の上げ下げは小幅であったものの、臨床検査(技師)の役割が、特に感染症の領域で増大したといえる。例えば「救急外来緊急検査対応加算1(300点)/同加算2(200点)」が新設され、救急医療機関において夜間・休日を含めた24時間検査体制を評価した。特に出血・凝固検査、血液化学検査、免疫血液学的検査の他に、細菌培養同定検査の実施が想定されている。
2024年の診療報酬改定で「抗菌薬適正使用体制加算(5点)」が新設され、国内で使用比率が低いAccess抗菌薬の適正使用が促された。今回の改定では感染対策向上加算1を算定する施設において、抗菌薬の適正使用の推進を目的に「微生物学的検査体制加算(30点)」が新設された。医療機関内に微生物学的検査室を有し、抗菌薬適正使用の監視や抗菌薬適正使用支援チームに係る業務に活用されることが求められ、今後、微生物学的検査室の役割がより増大しそうだ。
チーム医療に目を向けると、検体検査管理加算(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)を算定する施設において、パニック値の閾値設定を行うことが望ましいとされた。すでにパニック値の対応は、各医療機関で行われているが、今回の改定で「連絡を受けた医師は遅滞なく診療録に記録する」、検査室においても「パニック値であることが分かる表示」を努力義務として課された。
その他に「看護・多職種協働加算」が新設され、専門的な指導、診療の補助をする職種として臨床検査技師が加わった。検査結果の確認、異常値の報告、検査室外における検査の円滑な実施などに期待が持たれている。今回は一部の急性期病院のみの算定に留まったものの、全般的な普及に向けた一歩として今後の拡大に期待したい。
さて日本病院会など病院団体は、昨年春頃から経営環境が厳しく、このままでは多くの病院が閉院の危機にあることを訴えた。また、国立大学病院長会議でも、昨年度は赤字幅が拡大し、大学病院機能が維持できないことを公表した。
このような訴えに対して、2026年の診療報酬は全体で3.09%の引き上げを行い、物価対策や賃上げなどを盛り込んだ。さらに、急性期病院一般入院基本料の新設や特定機能病院入院基本料の見直しを行うことで、急性期や高度急性期の入院医療に対して診療報酬上で高度な医療を評価する仕組みとなった。
しかし、「看護・多職種協働加算」の算定などのより高い診療報酬を算定するには、平均在院日数や救急搬送数など従来よりも高い要件をクリアしなければならない。臨床検査技師を含めた多職種の専門性を生かした良質で効率的な医療が求められる。
検査室においても今回の診療報酬改定を踏まえ、院内で実施する検査項目と外注する検査項目の振り分けを考えているだろう。その際、院内検査、外注検査のコストを考えることは重要である。しかし、病院が目指す患者サービスに伴走する検査室であることも忘れてはならない。
2026.05.12