(参照) 推計学の構成とその基本概念 *
根柢にある哲学
(1)対立物の統一:
- 偶然性と必然性 (必然性に基づいて要因を想定し、これに従い母集団の等質化を行う。等質化に依って中に混沌性を作出し、これに確率を導入し、偶然性を客観的に軽量化する途を作る。次に実践を基にこの確率の大きさを求め、得られた偶然性の大きさを基に逆に最初用いた想定の必然性を検討する。)
- 法則と応用 (法則性の追求のため母集団の全数を調べると応用可能性はなくなる。) 注1
- 均一性と不均一性 (種を多く蒔いて収量の平均値の安定性を求めようとすると、地力の不均一性が効いて来る。)
- 抽象化と具体化 (結核症の定義を細かにすればする程その定義にあう結核症は少なくなる。) 注2
- 個別性と一般性、可能性と現実性、歴史的なものと論理的なもの、現象と本質等々。
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注1) |
個別的なものを知る必要があるなら、母数全体の調査も必要になる。徴兵、徴税の場合全数調査を行うのはこの一例である。封建的統計学の基盤! |
注2) |
白墨に1/100の油を加えたものはやはり白墨というであろう。併し油の割合を次第に増し、白墨の100倍入れたら白墨とはいわない。この境目の認識の仕方は? 麦の山の詭弁の紹介。麦粒一粒では山にならない。1,500,000,000粒では山になる。何粒目から山になるかというのである。推計学では詭弁でなく正しく答えられる。 |
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増山元三郎、「実験計画法大要」、学術図書出版、1948年、p5 |
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